第12号「太宰府悠久の丘―メモリアルパークからの眺望―」
育成団体:(公財) 太宰府メモリアルパーク
太宰府メモリアルパークには2つの眺望点があり、太宰府から福岡都市圏の街並みを見渡すことができます。そこは、時を超え変化し続ける『悠久』(ゆうきゅう)の街の姿を感じられる場所であり、そこに立ち・望む人によって「それぞれの物語」を生み出す場所です。
今後この展望台が市民に活用していただけるよう、周辺の環境整備や周知活動を行っていきます。
メモリアルパークからの眺望
太宰府メモリアルパークには2つの展望台があります。
そこからは太宰府から福岡都市圏、そして遠く博多湾まで見渡すことができ、その雄大な景色は、太宰府屈指のものと言えます。
その展望台は、そこに立ち・望む人によって「それぞれの物語」を生み出していく場所です。例えば水城跡、四王寺山、宝満山を通して、白村江での敗戦後の緊迫した状況や古代大宰府の繁栄を思い浮かべる人、太宰府から博多湾までの距離を見て古代・中世と太宰府が大陸との交流拠点として発展した地理的背景を感じる人。そして、飛行機が離発着を繰り返す福岡空港や車が行き交う高速道路、変化し続ける街並みから現代における人々の営みを感じる人。
展望台は、幾多の物語を生み出し、時を超え変化し続ける『悠久』の街の姿を感じる場所です。
夫婦桜展望台(めおとざくらてんぼうだい)
「夫婦桜展望台」は、「夫婦桜」を中心に開けた展望台です。ここは標高180mあり、園内で最も高所に位置するため、海に開けた広大な大地を望め、アジアの玄関口として発展した「福岡」の姿を一望できます。
また、ここからの眺望は、眼前の園内植栽と合わせ四季折々で美しく変化し、春はツツジやバラ、秋から冬には眼下に霧が立ち込める雲海を望むこともできます。
「夫婦桜展望台」には、樹齢200年といわれる山桜が立ち、大きな幹が寄り添う姿から「夫婦桜」と呼ばれています。
展望台への道端には、シャクナゲが植えられ、散策する人々を楽しませます。
また、この展望台の奥には天拝山を望む場所も整備されています。
大宰府の丘展望台
「大宰府の丘展望台」は、古代の「大宰府」を思い浮かべることができる丘という意味で、大宰府を囲む水城跡・四王寺山・宝満山などを見ることができます。
展望台には、望遠鏡や地図などが整備され、その横には四王寺山や水城跡を背景に大宰府ゆかりの万葉歌碑が7基立ち並びます。
この展望台から望む四王寺山(大野山)は、「大野山 霧立渡る わが嘆く息嘯の風に霧立ちわたる」山上憶良(万葉集巻5・799)と詠まれた当時の姿を彷彿させます。