第13号「太宰府をうたう♪全11曲(作曲・唄 岩﨑記代子)」


育成団体:岩﨑記代子と「赤い鳥」と「夢みらい」

♪寂光に佇ちて♪(平成5年作)から♪道真公♪(平成20年作)までの全11曲は、太宰府市在住の作曲家・声楽家である岩﨑記代子(いわさき きよこ)さんによって作曲された歌で、作詞家たちが作った太宰府にちなんだ詞に、岩﨑さんの曲と歌声をのせることで作品ができあがっています。
岩﨑さんが創り出した”音”には、太宰府の四季のような様々な”色”があり、11曲に語られている太宰府の歴史や風景が、聴く人の体に自然に溶け込むものとなっています。

“うた”の魅力
 岩﨑記代子さんが太宰府をテーマに作曲し、唄うきっかけとなったのは、戒壇院(かいだんいん)復興活動です。平成5(1993)年に詩人の平山芳江氏より「寂光に佇ちて」という詞をうけて、曲を制作したのが最初です。新聞各社、テレビニュースなど多くのメディアにとり上げられ、募金活動は順調に進みました。そして、太宰府に魅力を感じた岩﨑さんは、本格的に太宰府をテーマとした作品を創るため、平成12(2000)年に観世音寺(かんぜおんじ)のほど近くに居を移し現在にいたっています。

 “太宰府をうたう♪全11曲”は、作詞家たちによって作られた太宰府にちなんだ詞に、岩﨑さんの曲と歌声をのせることで作品ができあがっています。
 岩﨑さんいわく「太宰府は、様々な“音”に満ち溢れている」とのこと。政庁跡に立てば古代からの幾多の思いが、また、太宰府天満宮や榎社に立てば天神さまの思いが、岩﨑さんをかりたて、湧き出した音により、作品が創り出されています。岩﨑さんが創り出した“音”には、太宰府の四季のような様々な“色”があり、11曲に語られている太宰府の歴史や風景が、聴く人の体に自然に溶け込むものとなり、太宰府に馴染みがない人たちにも聞きやすいメロディとなっています。そして、その音色に込められた岩﨑さんの魂により、この11曲は、さらに聴衆を魅了するものとなっています。
 この11曲は、完成後多くのコンサートや講演、講座の中で歌いつづけられています。そして、聴衆に感動を与え、年月と共に作品そのものが実績を積み重ね、さらに大きな力を持つようになりました。このように愛され歌い継がれる“音”は、太宰府の深い歴史を伝え、太宰府の魅力を発信する力となり、さらに聴く人たちに大きな力を与えるものとなっています。

11曲の作品と作曲への思い
“寂光に佇ちて”
作詞:平山芳江 作曲・唄:岩﨑記代子(1993年作)
平山氏の深い詩と向きあいながら、私の音を紡ぐ作業でした。それは各地の講演でも反響が大きいものでした。

“夢しのぶ”
作詞:眞はじめ 作曲・唄:岩﨑記代子(1994年作)
太宰府天満宮参道の賑いの中、天神さまを親っての人々の声声が音になって溢れています。

“観世音寺を訪ねて”
作詞:村上寿浩 作曲・唄:岩﨑記代子(2002年作)
村上氏の作品を見た時、私の中ではオペラのアリアが浮かんで来ました。心の奥までを引き出してくれる様な、あの観世音寺の空気は一気に美しい音の世界へと私をのみこんでいってしまいます。

“菅公様”
作詞:岡崎ふくみ 作曲・唄:岩﨑記代子(2003年作)
この歌は、大分県九重町にある菅原天満宮に奉納しました。イントロと後奏は、その祭りの笛の音を表現しています。

“雪と雷さま”
作詞:平山芳江 作曲・唄:岩﨑記代子(2004年作)
天神さまを、童謡の世界へとご案内。しかも単なる童謡にとどまらず、そのピアノ伴奏にも工夫、格調高く表現してみました。

“藍染川物語”
作詞:岡崎ふくみ 作曲・唄:岩﨑記代子(2004年作)
演歌の詩人・岡崎ふくみ氏のその言葉の妙に、私もいつの間にかひきづられ音を紡いでいった作品です。

“都府楼址”
作詞:村上寿浩 作曲・唄:岩﨑記代子(2004年作)
古へからの幾多の思いが、なぜか私をかりたてます。
村上氏の‟詞(ことば)„をどう音にするのか、歴史あるこの地をテーマに極力音数(おとかず)を少なくしての構成、その少ない音と音の間から深い歴史、古へ人の思いが伝われば…との思いで作品創りをしました。

“天神様の12ヵ月”
作詞:村上寿浩 作曲・唄:岩﨑記代子(2004年作)
村上寿浩氏は天神様の12ヵ月の行事を、四季の美しさもちりばめながら作詞。曲は、誰もが歌いやすく、また、踊りやすくという思いで作曲しました。

“風は友達 -太宰府バージョン-”
作詞:平山芳江 作曲・唄:岩﨑記代子(2006年作)
みんなでうたいましょう♪の思いがつづられた曲です。

“雪の観世音寺”
作詞:舟木颯秋 作曲・唄:岩﨑記代子(2008年作)
詩人舟木颯秋(そうしゅう)氏の言葉の巧(たく)みさが、私の持つ音を上手にひき出してくれました。

“道真公”
作詞:岡崎ふくみ 作曲・唄:岩﨑記代子(2008年作)
詩人と天満宮との関わりを知り、音づくりに一層のふくみをもたせることとなったように思います。

作曲家・声楽家“岩﨑記代子”
 岩﨑記代子さんは、太宰府市在住の作曲家・声楽家で、日本童謡協会会員、福岡文化連盟会員でもあり、「日本の作曲家」「日本の演奏家」人名事典に掲載されてい
ます。
 太宰府のうたをはじめ、現在までに約350におよぶ曲を作られています。
 また、大分県玖珠町メルヘン大使、八女市観光大使にも任命されるなど各地で活躍され、平成29年には太宰府市民文化賞を、令和3年には日本童謡賞奨励賞を受けられました。