太宰府市民遺産こども絵画コンテスト入賞作品が決定しました

この夏、太宰府市内の小学4年生から6年生を対象に募集した太宰府市民遺産こども絵画コンテストの入賞作品を、作品選考に参加した太宰府高校松本先生の講評とともに発表します。

〇最優秀賞
水城小学校 6 年 野中 寧々さん
作品名「玉子色の灯り火」
作品のPRポイント「背景の色を重ね合わせたりして、もやもやとしている空間にしました。」

講評
五条区で行われる八朔の千燈明という太宰府天満宮に献燈をする行事の絵です。闇夜に美しく輝く燈明の灯りを、透明水彩絵の具で描いています。画面中央に絵柄と文字が特徴的な二つの燈明を大きく配し、画面上部には、遠くに並び、きらめく千燈明の列を浮かび上がらせています。特筆すべきは、水彩絵の具を何度も重ね、柔らかなにじみの表現を活かしながら玉子色の優しい光を濃淡のある夜の空間に描き出しているところでしょう。

〇特別賞(3作品)
景観・市民遺産会議議長賞
国分小学校 4年 豊永 珠由さん
作品名「父をさがして...」
作品のPRポイント「石童丸と母が父をさがして旅をしています。母の着物のがらや色をグラデーションにしました。」

講評
太宰府に伝わる「かるかや物語」は、父子であった苅萱道心と石堂丸の悲しくも心を打つ全国的に有名なお話です。この絵では、母と子二人で出家した父を、高野山に訪ねていく場面を描いているのでしょう。青空に浮かぶ三つの白い雲、風に揺れる草原の草、仲のよさそうな母子の旅の様子がさわやかな色調で描かれています。これから迎える家族の人生の悲運を思うと、この旅の景色が情感を湛えたものに感じられます。

太宰府市長賞
太宰府小学校 6年 森 都葉さん
作品名「目指せ!山頂へ」
作品のPRポイント「カエルたちが池から勢い良く出てくるところをかきました。」

講評
令和2年に太宰府市民遺産第16号に認定された「宝満山のヒキガエル」を描いた作品です。この作品からは、画面の下方に描かれた池から、上方に描かれた彩り豊かな落ち葉のある岸辺の方へと小さなヒキガエルが移動している様子が覗えます。画面を二分する「疎と密」のバランスが作品の魅力になっています。また池の水の緑と葉の色の対比も目を引きます。これから山頂まで登っていくヒキガエルたちの冒険を予感させる作品です。

太宰府市教育長賞
国分小学校 5年 松嶋 心春さん
作品名「太宰府天満宮と木うそ」
作品のPRポイント「木うそを大きく描き、目立つようにして、はい景も天満宮とわかるように工夫しました。」

講評
太宰府天満宮の参道と大きな鳥居が描かれています。左右対称の構図は画面に安定感をもたらし、鳥居の下には存在感たっぷりの木彫りの木うそが大きく堂々と描かれています。まるで太宰府天満宮を守っているかのようです。鷽(うそ)の特徴である胸の赤丸が画面の中心を引き締める役割を果たしています。また、「はね上げ」といわれるノミで削りあげられたカールした羽も丁寧に描かれています。

つづいて、優秀賞です。
〇優秀賞(4作品)
水城小学校5年 篠﨑 理音さん「すてきな物であふれている太宰府」

講評
この作品には太宰府の市民遺産が複数描かれています。数多くある市民遺産の魅力が、色とりどりに描かれ、作者の伝えたいという思いがあふれ出ているかのようです。木うそを中心に背後には大宰府政庁跡の石碑や天満宮の燕子花、千燈明や宝満山のヒキガエルまで愛情をこめて丁寧に描かれています。様々な色味が使われていますが明るい調子でまとめることで画面全体の統一感も考えられています。

水城小学校4年 阪本 有悟さん「ずっと守るよ隈麿公」

講評
榎社にほど近い隈麿公のお墓を、水彩絵の具を使って、魅力的な風景画に仕上げています。
季節は夏でしょうか。六弁の梅の木は緑に覆われていて、生命力を感じさせるその枝ぶりが墓の左後方に描かれています。特筆すべきは、点描で描かれた緑の葉と屋根の模様が、わずかに色味を変えつつ描かれ、とても味わいのある表現になっています。幼くして亡くなった道真公の息子である隈麿公への作者の思いが題名にも込められています。

水城西小学校4年 川本 隆太郎さん「平和になぁれー」

講評
自然な色調と伸びやかな筆のタッチが心地よい、素朴で優しさにあふれた作品です。中央に描いているのは観音様でしょうか。長い杓をもち、微笑みを浮かべて立つその姿には人々の祈りを受け続けた石仏の歴史が感じられます。水彩絵具の透明感を活かし、紙の白さを残しつつ光を表現している技法も生き生きとした作品の印象につながっています。また、左下に供えられた黄色い花が画面のアクセントになっています。

水城西小学校4年 大江田 ひみかさん「お父さんがさんかした梅上げ行事」

講評
還暦を迎える人々が、厄払いとして太宰府天満宮に梅の木を奉納する伝統的な行事である「梅上げ」を題材にした作品です。この作品は、題名にあるように父親が参加した行事を作者が目の当たりにしたのではないかと思います。画面の色使いやタッチに生き生きとした躍動感を感じました。画面中央には除災招福の願いをこめた梅の木をのせた牛車が大きく描かれています。牛や人の素朴な表情がとてもよく、明るい色彩が目を引きます。

以上の入賞の方は、令和6年2月17日(土)に開催するだざいふ景観・市民遺産フェスタ2024にて、表彰式をいたします。

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